関東圏で長年にわたって繰り広げられている戦いがあります。
「千葉県と埼玉県、どちらが関東のAランクか?」というものです。千葉と埼玉は共に東京でベッドタウンであり、常にどちらが優位なのかAランクの座を狙って主導権をつかもうとしています。
それでは、千葉と埼玉を比較したときに、どちらがより都心として機能しているのでしょうか?
この記事では、千葉県と埼玉県がこだわる関東のAクラスの座について徹底解説いたします。
✔千葉と埼玉を徹底比較
✔千葉と埼玉の住みやすいところ、観光としての知名度
✔千葉と埼玉のブランド力
関東地方1都6県で序列をつけると、トップには当然ながら東京です。関東地方の序列を決める基準は「東京に近い」「都会かどうか」なので、いわゆる「VIP枠」の東京は、そもそも序列外の絶対王者!
つまり、東京を頂点にして、他の6県が2〜7番手を争うのです。
2番手争いといえば勝敗はすでに決まっていて、神奈川県のものでしょう。都道府県で全国2位の人口を持ち、県都は政令指定都市ナンバーワンの人口を誇る横浜です。
東京に近いというより、横浜自体がすでにブランド化していてイメージ抜群です。横浜以外の神奈川県民にしても、地方でどこ出身かを聞かれると、「まあ横浜の方かな」と、思わず見栄を張ってしまうほど、横浜は県民の矜持の拠り所です。
近年は川崎のイメージアップも著しいですが、洗練されたオシャレな港町・横浜の存在が神奈川県を関東不動の2位と位置づけています。
一方、東京に近いことや都会かどうかが重要なので、東京と接していない茨城・栃木・群馬の北関東3県が5〜7位を争うというのは一致するところです。
茨城県民(主に南部)が、 千葉に猛烈なライバル心を持っているようですが、利根川という南北関東を分ける絶対的境界線の存在を前にすれば、もはや田舎者の遠吠えでしかないといえます。
残る3位と4位の席を争うのが千葉と埼玉です。世の中は往々にして3位と4位で明暗が分かれてしまうもの……。
オリンピックは3位入賞者までがメダルをもらえて、プロ野球は3位はクライマックスシリーズに進める Aクラス! 4位は容赦ない厳冬更改に見舞われてしまい、順位が一つ違うだけで天と地の差が生まれます。
つまり、千葉と埼玉の関東序列争いは、関東のAクラスかBクラスかを賭けた戦いであり、この話を持ち出すと両県民が意外に熱くなるのも仕方がないのです。
それでは、千葉と埼玉はどちらが3位なのでしょうか。項目ごとに比較していくのでいきなり結論を出しませんが、序列づけの基準が「東京」 や「都会度」だとして、某テレビ番組でも取り上げられましたが、千葉には「東京モノ」 が多過ぎるのです。
例えば、「東京ディズニーランド」 「東京ドイツ村」 「ららぽーとTOKYO-BAY」。さらに成田国際空港の昔の名称は「新東京国際空港」でした。
千葉にあるのに東京を使うのは、千葉県というよりも施設自体が東京の名を借りていることもあるでしょう。しかし、千葉県民の東京っぷりも相当なものです。
神奈川県民はどこの出身かと聞かれて「横浜」と答えがちですが、千葉県民は同じ質問をされたときに、「東京のほうかな……」と答えたりします。千葉県民にとって、千葉とはあくまでも東京の一部なのです(千葉県北西部の人の視点に限る)。
千葉のエセ東京に比べて、埼玉は清々しいほどストレートに「さいたま」を押し出します。
『翔んで埼玉』のヒットにより、世間の注目を浴びている埼玉県は、その自虐には他県の追随を許しません。
しかし、未だに「ダサイたま」の異名が抜け切らず、イメージ的にかなり損をしているようにも感じます(地域ブランド調査での順位は北関東と変わらない底辺レベルのようだ!)
県の人口規模、県都が政令指定都市、 プロスポーツチームの数など、海の有無という違いはあっても、基本スペックは同レベルの千葉と埼玉……。
最終的な判断として、人気者チーバくん効果があるなど、県民の郷土への愛情の深さや関心の高さは千葉が上かもしれません。
埼玉県民の郷土愛のなさは全国1位だといいます(NHKが昔行った全国県民意識調査の結果)。この事実のみで千葉県民の多くが溜飲を下げそうですが、実は千葉県は埼玉県に続いてビリから2番目……。
双方互角で、どちらにしろ相手を笑えたものではありません。
両県民が郷土愛に乏しい要因を考えてみると、一つには「これといったハイライトや特色がない地味な郷土の歴史」があるように考えられます。
歴史とは民族のプライドにかかわるもので、目立つ歴史を持っている地域は、住民がその歴史を共有することで連帯感が生まれるからです。
そう考えると、千葉と埼玉の歴史には、多くの県民が共有できる「これ!」というものがあまりありません。
双方の歴史を紐解いて見ても、古代の律令期は、千葉が下総・上総・ 安房の3国、埼玉が武蔵国でしたが、具体的に何があったかを知っている県民は少ないでしょう。
下総で東国三社の一つである香取神社が創建されたことや、武蔵の秩父で銅が採れたことを記念して「和同開珎」が発行された話を聞いても、ピンと来る人は少ないでしょう。
しかし、大昔はそういう地名だったと知っている人は多く、 埼玉県民などは「埼玉も東京も元々は武蔵で一緒」と胸を張ります。それをいってしまえば、古代の東京地域は超ド田舎だったものです。
平安時代末期以降の中世になると、どちらの地域も豪族が割拠し、勢力争いが続いて乱国状態になったのは似ています。
これにより戦国期の埼玉は相模の北条に支配されました。しかし千葉は下総こそ北条の軍門に下がりましたが、安房は上総を橋頭堡に抵抗してなんとか独立を守り抜いたという違いがあります。
しかし、中世に名前が出てくる両地域の主な豪族や戦国大名ですが、千葉氏、 里見氏、秩父氏(畠山氏、河越氏)、上杉氏(扇谷氏、山内氏)など、いずれもパッとせず、何か偉業を成し遂げた話は聞かれません。
里見氏は『里見八犬伝』が映画やテレビで取り上げられて知名度はありますが、扇谷上杉氏や山内上杉氏は、「あの謙信の?」と突っ込まれたりもするものです。
地味な歴史の両県ですが、埼玉のある歴史にスポットが当たりました。
「忍城の水攻め」です。戦国期のこの出来事が歴史小説『のぼうの城』で描かれて、 同作はベストセラーになり、さらに映画化もされたことで、埼玉県行田市は多くの歴史ファンから注目を浴びました。
埼玉の歴史はここから始まったといってもいいほど、行田市に住む人々は地元の歴史に誇りを持ったことでしょう。
『のぼうの城』のように埼玉県の歴史が映画やテレビで取り上げられれば、県民の連帯感も高まるものです。
というわけで、両県は郷土にゆかりのある人物を大河ドラマに採用して欲しいとNHKに要望書を出しました。
千葉は「里見氏」「本多忠勝・忠朝」「伊能忠敬」。埼玉は「源義仲」 というラインナップ!
埼玉の「源義仲」はイメージが薄過ぎます(出生地は埼玉だが確証はない)。そもそも埼玉にゆかりのある歴史人物は、かなりマイナーなのです。
一方の千葉は、歴史人物では埼玉に圧勝です。大河候補者に加えて日蓮もいます。新井白石、堀田正睦もシブいのです!
埼玉県民に「埼玉の観光スポットは?」と聞いてみたところ、返ってきた答えは「秩父」でした。もう少し突っ込んで聞いてみると、なかなか出てこない!
少し待ってみると、「長瀞とか……?」と言います。ある意味それも秩父みたいなもんだ! と突っ込みたくなるほどのでした。
しびれを切らして、「川越とか有名だよね?」と言うと、「たしかにそうだね、川越もあった」とまるで他人! さすが埼玉県民、郷土愛がまるで感じられませんでした……。
その点、千葉県民は観光スポットを聞かれると元気ハツラツ! 千葉都民を筆頭に、おそらく多くの県民が真っ先に挙げるのが「東京ディズニーランド・ 東京ディズニーシー」。
天邪鬼な生粋の千葉っ子だったら、そんなディズニー派を尻目に『マザー牧場』というでしょう。さらに千葉っ子には『東京ドイツ村』も大切で、「夜のイルミネーションは関東三大イルミネーションに認定されているんだ!」と力説します。
その他にも舞浜の『イクスピアリ』など、カップルのデートスポットも事欠かない千葉は、本当にメルヘン王国です。
また、史跡なら成田山新勝寺とその門前町、景勝地ならメジャーの九十九里浜に、養老渓谷もあります。
小湊温泉や犬吠崎温泉、鵜原温泉など、房総沖の海を見ながら温泉入浴というのも粋な過ごし方ができるものです。
観光では圧勝も見えてきた千葉県! ちなみに千葉県民に埼玉の観光スポットを聞いてみたところ、答えはやはり「秩父」が多く、他には東武動物公園や森林公園、西武園ゆうえんち、さらに鉄道博物館という答えが意外に多かったです。
その他に少数意見で、 さきたま古墳公園やグリコピア・イーストなどなど、埼玉県民よりも千葉県民の方が埼玉に詳しいのでは? と思えてくるほどでした。
千葉県民は自県にレジャースポ ットが豊富に揃い、遊ぶ楽しさを知っているからなのか、 そのような方面への関心が高いようです。
一方、埼玉県民は、「近場で遊ぶなら池袋で十分!」と言う若者も多く、全体的にドライな印象を受けました。両県の考え方が、千葉県民が牧歌的だとすれば、埼玉県民はちょっと都会的なのかもしれません。
例えば、埼玉と千葉どちらが田舎かと問われたとして、埼玉県民ならほぼ全員「千葉」と答えるはずです。しかし、千葉県民は「埼玉」と言わず、何人かは間違いなくどちらか迷います。根が正直なのです。
埼玉県民は千葉に対して「千葉は田舎だから、レジャー施設に東京と付けたがる」と主張しますが、実はこれにはちょっと誤解があります。
千葉と東京のブラ ンド価値に差があるからというのは否定しませんが、千葉は東京湾に面している から「東京」と付けられるのです。
また、埼玉県民は「千葉は田舎だから観光スポットが豊富」といいます。観光資源が多い、すなわち田舎だという論理ですが、これも誤解です。
埼玉も実は観光スポットはかなり多いですが、その多くが有名ではないだけの話なのです。
都心へのアクセスが向上しており、ベッドタウン地域は都心から約60kmの範囲まで広がっています。さらに、ベッドタウンは東京への通勤者が住む街だけを指すわけでもありません。
千葉県であれば千葉市、埼玉県であればさいたま市といった大都市への通勤者が多く住む街もベッドタウンとされています。
そのため、千葉や埼玉のベッドタウン地域はかなり広い範囲に及ぶことになります。
「東京都市雇用圏」という区分があり、千葉県では九十九里の山武やいすみ、埼玉県では北部の加須や川越比企地域の嵐山なども含まれて、これらの都市も一応ベッドタウンとされています。
単に千葉や埼玉のベッドタウンといっても非常に広範囲で、比較するにも収拾がつかなくなりそうなので、ここでは東京のベッドタウンに話を限定して説明していきます。
東京のベッドタウンといえば、千葉県の北西部と埼玉県の南東部が挙げられます。いずれもおよそ300万人以上が住む人口密集地帯です。それらを比較するのは難しいですが、参考になる指標があります。
東洋経済はほぼ毎年、全国の市を対象にした「住みよさランキング」を公表しています。このランキングはベッドタウン地域の各都市の能力を測るものではありません。
しかし、都市の利便性や安全性、あるいは快適性など、様々な項目の数値をもとにランキングが決められており、東京のベッドタウンだけを抽出してその能力を比較する上で参考になります。
過去の事例を見ると、関東地方の都市のランキングでは、東京のベッドタウンとされる市で10位以内に入ったのは7市あり、千葉県はそのうち3市を占めており、埼玉県は1市も入っていませんでした。
20位まで広げると埼玉県は3市がランクインしますが、千葉県は6市と倍増します。このランキングだけを見れば、千葉県のベッドタウンの方が住みよい街が多いといえそうです。
ちなみに千葉で上位10位以内に入った3市とは印西、成田、白井で、いわゆる「千葉ニュータウンとその仲間」です。
印西は関東地方1位に輝きましたが、 実は全国総合でも1位でした。関東3位の成田と6位の白井も全国で上位に入っています。さらにこれらの都市は何年も上位を維持しているのです。
一方、埼玉のトップはふじみ野で15位。続くのが白岡(17位)、戸田(15位)。その差は歴然でした。
ベッドタウンの価値は地価で決まるものではありません。都心へのアクセス力や都市機能の集積も重要ですが、それ以前に自治体の財政力がポイントになります。
財政力が乏しければ、都市の環境整備もままならず、住民が十分な公共サービスを受けられない危険性があります。
そうした視点で見ると、埼玉県のベッドタウンにあたる地域で財政力指数が優良団体基準の「1.0」を上回ったのは、和光市、戸田市、三芳町の3市町です。
一方、千葉県では市川市、成田市、浦安市の3市(市原市や袖ヶ浦市は含めず)が上回りました。
両県は互角で、ポテンシャルという点ではあまり違いがありません。しかし、両県のベッドタウンの都市評価に差があるのは、現地の環境整備や開発の進捗状況によるものでしょう。
埼玉県でトップ評価のふじみ野市は大規模な開発によって都市機能が整えられました。17位に入った白岡市も2012年に市制が施行されたばかりの新しい街ですが、住宅整備が積極的に行われて発展しています。
しかし、その他の埼玉県の街が上位に入らないのは、開発が進んでいない現状があるのではないでしょうか(所沢周辺の西武の開発地域も旬が過ぎてしまったかもしれません)。
千葉ニュータウンとその周辺の街の評価が高いのは、計画的に進められた大規模なニュータウン開発が完成形に近づいているからといえます。
鉄道面でも埼玉県に分があるものの、今後の開発によっては千葉県に追いつき、追い越すこともあるかもしれません。しかし、浦安市や幕張市のブランド価値は、恐らく「ダサイタマ」では越えられないでしょう。
近年の地方ブームに乗って、大手マスコミは競って都市のランキングを発表しています。しかし、これらはすべて独自の基準と視点で街を評価しているに過ぎません。
「これは本当?」と疑問に思うようなランキングもあり、信頼できるデータは意外と少ないのが実情です。その中でも、やはり信用できるのは、古くから都市のランキング化を進めてきたSUUMOの「住みたい街ランキング」と東洋経済の「住みよさランキング」です。
この2者は国が発表している各種統計データを基に市区町村を評価し、都市そのものの実力を測るものです。
「住みたい街ランキング」が示すのは調査圏内の「イメージの良さ」であり、「住みよさランキング」は「都市の実態」を数値化したものと考えられます。
実際にこの両ランキングの最新版を比較すると、千葉県と埼玉県の都市で興味深い現象が見られました。
まず、SUUMOの「住みたい街ランキング2019関東版」では、埼玉県を代表する都市である大宮が4位、浦和が8位と10位以内にランクインしています。
一方、千葉県の都市は10位以内に入っていませんが、2位にようやく舞浜が登場します。
それでは、「住みよさランキング」の10位以内ではどうでしょうか。連続で1位に君臨しているのが印西市で、さらに10位に成田市がランクインしています。過去と比べると白井市が大きくランクダウンしてしまいましたが、それでも2市が10位以内に入る健闘ぶりです。
逆に埼玉県の都市は50位以内にも入っていません。両ランキングで完全なる逆転現象が起きています。つまり、埼玉県の都市はイメージは良いものの、都市としての実力はイマイチ……。
一方、千葉県の都市は実力があってもイメージが悪いという推論が導かれます。どちらが良いかは別として、埼玉県と千葉県は正反対の特徴を持っていることがわかります。なんとなくイメージが良さそうな浦安や幕張ですが、やはり良いイメージが一般的には浸透していないのかもしれませんね。
「千葉と埼玉を徹底比較!千葉県と埼玉県がこだわる関東のAクラスの座」はいかがでしたか?
千葉と埼玉の比較はいろいろなメディアで取り上げられていますが、どちらもそれぞれの魅力があり、観光にも適しています。近郊に住んでいる、またはこれから旅行などで訪れる人は、ぜひ両者の違いを楽しみながら過ごしてみてくださいね。
この記事は、結婚相談所「ラポールアンカー千葉」と「ラポールアンカーさいたま」の共同執筆でお送りいたしました。
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